昨日はなかなか良い本を発見しました。いつも物理を勉強するときには先ず教科書から入って下さいと言っています。ところが教科書が入手出来ない生徒もいるのですよね。数研出版から出ているあの教科書はなかなか良い本です(すぐに物理個別の中3生のために購入しました。かなり値段が高いですが内容は高度なことまで書いてあります)。物理というのは数学の勉強の仕方とは随分と異なります。公式は導くものです。移動距離はこの台形の面積ですと言いますがなんで面積なのですか?(答えてくれる先生がいない)。私は東大物理学科(単位満期)修了ですが、受験で大学の物理を教えるのは些か違和感があります。ですので代ゼミの前田の物理を基本に教えています(駿台の微分積分中心の方針には受験に関する限りは異を唱えています。物理は現象を図解してそれを数式化する(使うのはsin,cos程度で円運動のところで始めて三角関数の微分が必要になります。ただ波動方程式では(数学では一変数しか扱わないのに)二変数が現れます(位置xと時間tの二変数です。これを用いて進行波と定常波の違いを教えます。三角関数の和・差⇒積を使います。進行波と定常波の違いはここで分かるのです)。我々の頃には:親切な物理を購入するのが当たり前でしたがあの百科事典は読破出来ません(入試において大事なことをマスターすれば良いので、枝葉のことまでは研究者にでもならない限り不要ですよね)。私も駿台の物理+α以上のことを教えたい気持ちは山々ですが受験生が物理にかけられる時間を考えるとそうもいきません(同様に数学では行列を懇切丁寧に教えて行きたいです。2-2行列と3-3行列のn乗とジョルダンの標準形・単因子論。次元を下げる作用素(微分)の行列表現。時間があればやりたいです)。いまは入試に範囲を限定しますがもう少し現代数学概説を行いたいです(アインシュタインの光に関する理論、吉田耕作の無限次元における関数解析、2階常微分方程式とその解法etcを行いたいです)。
市川数理フォーラム教育総監羽立健三
市川数理フォーラム教育総監羽立健三